先日機会があって、新規オープンの南欧料理屋に、開店初日に行ってきました。
過去の経験から言って、オープンしたての店はどんなに良いお店であろうと、開店初日にはその実力は発揮されず、がっかりすることが多いのが常でした。 今回もできることなら、2~3か月後に行きたかった(やはり、今までの経験から言って、これくらいの期間が経って、やっと店本来の実力が表れてくるので)のですが、やむを得ぬ事情で開店当日に来店となりました。 結果から言うと、やはり今までのジンクスは今回もピタリと当てはまっていました。 特に派手な宣伝はしていなかったようですが、新しいお店の物珍しさからか、着いた時にはほぼ満席。 「お席を用意します」としばし待った後、席に通されるとすでに料理はラストオーダーの時間。 あわててメニューを検分し、グラスワインを頼むもこれは品切れ。 代わりにシェリーをオーダーし、料理を2品ほど注文。 通された席は、ちょうど厨房からの料理が出され、ホールスタッフが運び出す場所のすぐそば。 何気なく、そちらに目をやると、オーダーの紙が所狭しとギッシリ並んでいる。 「これはかなり待つな」と覚悟を決め、持参した本を読みふける。 思ったとおり、お酒は15分後に、料理はさらに20分後に出てきました。 誤解しないで欲しいのは、別にそういったことで文句を言いたい訳ではないのです。 最初に断ったように新しいお店というのは、実力を発揮できなくて当たり前。 長い目で見なければ、そのお店の良さは分かりません。 ただ、そのお店の場合、ラストオーダーが終わり、すべての注文が配膳し終わると、スタッフや黒服の人たちさえも、嬉しそうに、満足し切った顔でいたのが、ちょっと気になりました。 怖いな~と思いました。 たぶんオープンまで研修を何日もやってきて、開店してみたら大繁盛でとても嬉しかったのでしょう。それは分かります。 でも、もうちょっとお客さんの立場で考えてみたら、大満足とはいかない気がするんですよね。 喜びに浸りきる前に、明日への反省の気持ちも、少しは残しておいてもらえたらありがたかったです。 料理は調理の時間がどうしてもかかるので、その分ファーストオーダーのドリンクだけは早く出す。 料理を持っていった後は、手ぶらで帰らず、下げられるお皿は下げてくる。 灰皿は山盛りになる前にお取替えする。 お酒のお代わりはもういいと言ったゲストには、お水がいるか確認する。etc・・・ サービス業にとって、一番怖いのは「自己満足のサービス」だということを聞いたことがあります。つまりゲストという主役不在のサービスというわけですね。 サービス業ならどんな業界にも通じると思います。マッサージ業とて同じこと。 施術に慣れてくると、つい自分のやりやすいように、自分のペースで接客してしまうという罠が待ち受けています。 ゲストが主役だということを忘れてしまう典型的な悪循環ですね。怖い、怖い。 仕事の成果を決めるのは、常にゲストの満足度だということを肝に銘じなければと思った出来事でした。
by omatto
| 2006-04-28 18:58
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